第5回女性鍼灸師フォーラム学習会
女性鍼灸師フォーラムと合同開催)
レディース鍼灸で婦人科疾患をより積極的に
婦人のライフサイクルを診る
第14回現代医療鍼灸臨床研究会)

日本鍼灸マッサージ新聞 0111.10.

  第14回現代医療鍼灸臨床研究会が11月3日、東京大学の弥生講堂で開催された。同研究会は鍼灸師が日々の臨床で出会う疾患を毎回のテーマとしており、今回のテーマは『婦人科疾患に対する鍼灸治療』で、女性鍼灸師フォーラムと共同開催となつた。
 はじめに明治鍼灸大学の矢野忠教授が基礎講座を行い、東洋医学の立場から不妊症・月経困難症・更年期障害について説明した。矢野教授は婦人の病因病理を七情の怒・思・恐、六淫の寒・熱・湿として、治療原則を肝気を疏し(とおし)、脾胃を和し、腎気を補って、気血を調えることにあると解説した。
 午後からのシンポジウムでは日本鍼灸理療専門学校の遠藤美咲講師が「月経困難症」を取り上げ、機能性の月経困難症には鍼灸治療が適しているが器質性のものは婦人科の治療が必要だと述べた。また、月経困難症に対する鍼灸治療の眼目は予防にあり、軽症は三陰交の皮内鍼と施灸のみで効果が得られるとした。
 続いて不妊治療を専門とする明生鍼灸院の鈴木裕明院長が「不妊症」について、子宮頚管粘膜異常が原因の不妊症は鍼灸単独で効果が得られるが、卵管異常の場合は鍼灸単独では無理なため発症機序の鑑別が重要だと述べた。
 また、「更年期障害については西京都病院の澤因千浩氏が、更年期障害には高脂血症、動脈硬化、心疾患などもあり、鍼灸師はこれらを見落とさないよう十分な問診が大切だとした。
 当日の研究会では、婦人科疾患を単に臓器の疾患と診るのではなく、幼年期・思春期・成熟期・更年期という婦人のライフサイクル全体の問題として受け止めて治療に当たる必要があるとした。特に思春期の月経困難症には羞恥心が伴い、更年期障害には環境変化などの心理的要因も加わるため、思春期内科・思春期外来・更年期外来などのレデイース鍼灸を設けることで、婦人科疾患に対して鍼灸がより積極的にかかわれる可能性が大きいという意見が多くみられた。